原題:Alita: Battle Angel
上映時間:122分
監督: ロバート・ロドリゲス
キャスト:ローサ・サラザール、クリストフ・ワルツ、ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリ、キーアン・ジョンソンなど
あらすじ
数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。
引用元:https://eiga.com/movie/88451/
「アリータ」は日本の漫画「銃夢」の映画化らしく、銃夢は読んだこと無いですが、日本の漫画がどのような形で映画になったのか気になったので観に行ってみました。
目次
端的に言うと、面白くなかった
映画をみた感想は、『面白くなかった』というのが正直な感想です。
というのも、アリータは本作だけでは完結していません。
事前知識も無く、原作も知らず、また続編を考えて作られているとは思っていなかったので、最後の何も解決していない展開で話が終わってしまい拍子抜けとともに、お話が解決しないことにガッカリしたのです。
ですが、続編ありきで「アリータ」は作られたという事を観終わった後に知り、最後の展開については納得しました。
ですがそれでも『満足するほど面白かった!』とは言えないです。
面白くないと思った理由
では一体なぜ面白くないと思ったのか。
いくつか述べていきます。
序盤の展開が早すぎる
序盤の展開がとても早いです。
主人公アリータの彼氏である「ヒューゴ」。ヒューゴとアリータが出会うのが、アリータがゴミ捨て場から拾われて体を治されたその次の日です。
しかも出会った瞬間からアリータはヒューゴに一目惚れ。1秒経たずにです。
いやいや、あまりにも惚れっぽすぎるでしょう!
原作である銃夢の主人公がどうなのかは知りませんが、アリータのあまりの惚れっぽさに、どうしても制作側の恋愛要素を入れるという意図を感じてしまい、納得出来ませんでした。
その他にも、友人が出来るのも二日目、街に慣れるのも、自分を助けてくれた恩人であるイドに馴れ馴れしく接するのはなんと出会った瞬間から!
まるでずっと昔からの知り合いかのように接するアリータ。それを当たり前のように受け入れる周囲の人達。
尺の問題から展開を早くしているのかもしれませんが、あまりに馴れ馴れしいアリータに違和感しかありません。
アリータの我儘っぷりが酷い
アリータはたった数日で周りに受け入れられます。
さらにアリータ自身も受け入れられるのが当たり前で、自身を拾って体を直してくれたイド(街の医師、アリータを助けた恩人)に馴れ馴れしく接し、アリータの事を心配するイドに対し、まだ出会って数日なのに自分勝手自由気ままに過ごしだす。
アリータを心配するイドの気持ちをすべて踏みにじり、自分がしたいからする! というわがままっぷり。
このアリータの図々しさが全く好きになれない。
その図々しさも、まだ家族の中で我儘を言う程度であればよかったのですが、アリータの我儘は、その生まれのせいかどんどん暴力的な方面へも伸びていきます。
バトルジャンキーアリータ
アリータはとにかく好戦的。
意味がわからないぐらいに好戦的で、イドが犯罪者を捕まえるハンターという職業をしていると知ると、自分からハンターになると良い、危険に自分から身を晒します。
イドはアリータを争い事に関わらさせないようにしているのに、とことん自分から争いに首を突っ込んでいく。
自分を助けてくれたイドが、アリータを諌めてもイドに逆ギレする始末。
お前何様だよ!と何度映画を観ていて思ったか。
普通自分を助けてくれて、生活の面倒をみてくれている人が、争いごとに手を出すなと自分の身を案じてくれているのに、それに逆ギレするって、馬鹿じゃないのか!と言いたい。
アリータはイドの優しさをとことん踏みにじり、イドはその尻拭いを何度もさせられます。
アリータはもともと戦闘用アンドロイドで、好戦的である。
という説明もありましたが、ヒューゴと恋愛出来るようなら、イドの気持ちも汲んで、戦いから離れて平和に過ごすことも出来たはず。
あまりにも好戦的で、他人の気持ちを踏みにじり、ひたすらヒューゴを持ち上げるアリータを全く好きになれない。
唯のバトルはもう飽きた
アリータは「バトルエンジェル」とタイトルにあるように、バトルが多く取り入れられています。
が、正直アクションなんて最近の映画では当たり前、唯の格闘劇を見せられても、私としては「ハイハイバトルね、で?」といった感じ。
もうただの格闘劇をみても面白いとは思えません。
これはアリータが悪いわけでは無いのですが、あまりにもアクションシーンのある映画が溢れかえっていて、私がもう見飽きてしまったのです。
アリータも他のアクション映画と同様、確かにサイボーグ特有の戦闘シーンなどがあったりと、それなりに激しいアクションシーンがありましたが、特にこれとってアリータだけの良さ。というものを感じることもなく。
ただボーッとアクションシーンを観るだけでした。
ただし、モーターボールは素晴らしかった。アリータらしさのある迫力のあるレースゲームでここだけは唯一アクションシーンで素晴らしかった。
CGはすごいが、結局アリータの目には最後まで慣れなかった
出典元:http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/
アリータの特徴として、明らかに大きな瞳がある。
CMやPVを観ていても、この大きな瞳に違和感を感じてしまい、逆にそれが映画を見てみようと思ったきっかけでもありました。
が、実際に観てみると違和感が半端ない。
明らかにバランスがおかしい目の大きさ。この大きさが気になってしまい、どうしてもアリータのキャラクターデザインが好きになれませんでした。
最後まで観れば慣れるかなとも思ったのですが、多少マシにはなったものの、最後まで違和感を感じ続けました。
この目の大きさが私がイマイチアリータの事を好きになれなかった理由の一つだと思います。
投げっぱなしの最後
このアリータは単体では何も解決せずに物語が終わります。
続編ありきで作ったようなので解決しないのも分かるのですが、本当に何も解決しません。
敵の正体も良くわからない。彼氏は死ぬ(そのような演出で終わる)、アリータはモーターボールの優勝を狙って戦い続ける。というエンディング。
観ていて全くスッキリしない。
逆に良かったところは?
今まで悪い点をあげてきましたが、では逆に良かったところは何なのか。
みていきます。
イド・チレン・犬使いのハンターのおっさんは良かった
この三人はアリータの中で好きになれたキャラクターでした。
どれだけアリータに振り回されようとも、アリータを支え続けたサイバードクターであるイド。まじで神。
最初は敵だったけど、最後は母親に戻ったチレン。作中で一番人間臭い人物だったかもしれません。最後に会心したけど、体がバラバラにされてしまったのはショッキングでした。
犬使いのハンターのおっさん。
犬好きに悪いやつは居ない!
この3人はまともな人間が少ないアリータの世界で、好きになれたキャラクターでした。
CGがすごい
CGのクオリティは素晴らしかったです。
特に好きなのは、街の景色。先進的でありながらも、スラムのような排他的なデザインをしており、遠い未来の荒廃した世界といった感じがよく出ていました。
CGもここまで来ると違和感が全くなくなり(アリータの目以外)どこまでCGでどこまでが実写なのかもうわからないぐらいです。
それぐらいにCGの進化を感じさせる映画でした。
モーターボールのアクションが素晴らしい
作中に登場する「モーターボール」という一つのボールを奪い合い、他のプレイヤーを蹴落としながらコースを周回してゴールにボールを入れるスポーツ。
ルールは有るようですが、ほとんど何でもありの激しいバトルは、唯の格闘と違って様々な武器、シチュエーション、アクションと目まぐるしく展開が変わっていく。
一つ一つのアクションシーンが洗練されており、まさにモーターボールというスポーツの面白さを描けていた。
もし現実にモーターボールのような競技があれば、選手も観客も白熱すること間違いなしでしょう!
サイボーグならではの、ド派手なバトルは必見です。
アリータは面白くなかった まとめ
素晴らしいCGや派手なモーターボールのアクションなど、良い点もありましたが、全体的な評価としては、『微妙~面白くなかった』というのが私の感想です。
面白くなくしている一番の原因は主人公「アリータ」の性格。
先述しましたが、とことんアリータの性格が酷い。共感できる部分が一つもなく、全く好きになれないキャラクターでした。
父親代わりであるイドに迷惑をかけまくり、自分の心臓の価値がどれ位やばいのかを知りながらそれを売ろうとしたり、最後ヒューゴが落下していく場面、自分の心臓を売ろうとするほどの気持ちをヒューゴに持っていながらも、ヒューゴが落ちていく場面をただ見ているだけだったりと、アリータを好きになれる要素が一つもない。
アリータがもう少し他人に配慮出来る人であれば、もっと楽しめたと思うので残念です。
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