洋画

【60点】「キャプテン・マーベル」の感想・レビュー【ネタバレあり】

キャプテン・マーベル

原題:Captain Marvel
上映時間:124分
監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック
キャスト:ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ベン・メンデルソーン、ジャイモン・フンスー、リー・ペイス

あらすじ

マーベルコミックが生んだヒーローが結集する「アベンジャーズ」シリーズに連なる「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、MCUでは始めて女性ヒーローが単独で主役となったアクションエンタテインメント。

アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った女性ヒーロー、キャプテン・マーベルの戦いを描く。1995年、ロサンゼルスのビデオショップに空からひとりの女性が落ちてくる。彼女は驚異的な力を持っていたが、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。

やがて、その記憶に隠された秘密を狙って正体不明の敵が姿を現し……。後にアベンジャーズ結成の立役者となるニック・フューリーも登場し、アベンジャーズ誕生のきっかけとなるヒーローの始まりが明らかにされる。

引用元:https://eiga.com/movie/90120/

3月16日 TOHOシネマズなんば にてIMAX3D版を鑑賞 60/100点 ]

TOHOシネマズなんばにて撮影

MCU最新作にして、最強の新ヒーローデビュー作品「キャプテン・マーベル」!

公開時期からして世界が待望する春のお祭り「アベンジャーズ/エンドゲーム」の前夜祭でもあり、何より皆のトラウマ「インフィニティ・ウォー」を知る者にとっては唯一の希望。

否が応にも期待してしまいます。「#キャプテンマーベルに期待しかいない」とかいうダサいハッシュタグで喧伝していた公式にも、何だかんだワクワクはしていた私。

しかし見た結果は「面白い…のか?これ。」と疑問符をつけたい出来。ごめんなさい、もっと高いハードルを越えてくれると思ってましたよ。

娯楽映画として軒並み高水準なMCUラインナップの中でも、やや下位かもしれませんね。

そんなモヤモヤした感想をこの記事では綴ります。

本記事は決定的なネタバレが含まれます。ご注意ください。

スタン・リー追悼が最大の感動ポイント

個人的には本作で一番心を動かされた瞬間は、お馴染みのマーベルスタジオのロゴOPです。

今回は昨年亡くなられたスタン・リー御大の過去カメオシーンを集めた追悼バージョンでした。さすがにここは胸が熱くなりますね。

本編中のカメオがどうなっているのかも気になりましたが、いたってチャーミングな登場でした。

新聞紙で顔が隠れていたとはいえ、どう考えても今探している格好とは全く違うのにわざわざお顔を拝見するあたり、やはり一般の地球人ではない何かをキャロル・ダンバースは感じ取ったのか…。よきサービスでした。

…でこの映画、先程も述べたようにここが個人的ピーク。あとは上がりも下がりもしない味気ないお話に感じました。

なぜなのか、順を追って説明します。

ストーリーの基本軸にカタルシスがない

「キャプテン・マーベル」のストーリーは、主人公キャロル・ダンバース本人の正体にまつわる謎が物語の中心です。この謎をめぐってお話を推進し、その正体がわかったとき、あるいは自分の居場所を見つけるなどしたときにカタルシスがあるはずです。

が、そのカタルシスが致命的にない。しかも終始強いことには変わりがないので、ピンチげな状況も毎回あっさり突破してしまいます。力づくで。

演じるブリー・ラーソンは綺麗で格好いいことには異論なく、相方のフューリーを演じるサミュエル・L・ジャクソンとの掛け合いも心地よいです。ただこの演技力でどうにか間が持っているように見えました。

ヒーローらしさに欠ける

そもそも自分は誰なのか問題に焦点を当てすぎていて、ヒーローらしいカタルシスをもたらしてくれないのが最も大きな問題だと思います。

一応この「キャプテン・マーベル」はヒーロー映画ではあるものの、人を助けるという描写が不足しています。

フューリーと車中での会話中、キャロル(この時点ではバース)は自身のことを「クリー人の戦士ではなく英雄(ヒーロー)」と述べているセリフがあります。

彼女はその潜在的な力もあって、どうやらクリー人の最前線で誇りを持って戦っていたのでしょう。

しかしこのセリフが象徴するように、映画全体が「誇りを持って戦えばヒーローである」の論調に沿っているような気がしてなりません。

私はそれでは足りないと思いますし、映画の冒頭で敬意を表していたスタン・リーの示した言葉のほうが、こと娯楽媒体のヒーロー像としては腑に落ちると思うのです。

同じ3月に公開された「スパイダーマン:スパイダーバース」のエンディング追悼文でもあるようにスタン・リーはこう残しています。「迷いなく人を助けるのがスーパーヒーロー」であると。

なぜ人を助けるのか、どうやって人を助けるのかが大事

「キャプテン・マーベル」に圧倒的に足りないのは人を直接的に助ける描写です。いちおう博士やスクラル人の難民を助けようとはしているけども、覚醒前の話だったり婉曲的すぎるのです。

例えば良かった点でいうとフューリーを資料室で助けるために、一度は階段から先に退散しようとしたところを引き返して、助けに行ったところです。

少なくとも身の上話をしたような、その上で信頼できそうな人物は命を助けようとしてくれる。キャロル・ダンバースという人のヒーロー性を伺える場面です。こういう場面はとても良いと思うのです。

ところが覚醒後にヒーロー「キャプテン・マーベル」だからこそ身近な人を救えた、救いたいと動こうとしたという葛藤が無さすぎるのが問題です。

特に宇宙船の脱出から二手に分かれたところから本当にいまいち。

間接的にはキャロルのおかげで敵をひきつけて助けてはいるものの、直接的にスクラル人たちを救ったのはフューリーや友人のマリア・ランボー、あと猫ちゃんのアレです。

突然とんできてバーンとヨン・ロッグの宇宙船ブッ飛ばて墜落させたり、いきなり弾道ミサイルををドーンと弾きかえしたりしても外連味に欠けます。

宇宙からやってきた戦艦級を撃墜する力に覚醒したものの、お話や利他的に誰かを救うという描写にリンクしないのは本当にもったいない。「誰かを助けたい、そのために自分にしかできない方法で誰かを救う」という基本が全くできていません。

このラストのバトルについてだけ取りだすと、個人的には「グリーン・ランタン」級につまらないと言いたいです。ヒーローはスーパーパワーで戦えば面白くなるわけではありません。

「自分の記憶を思い出して、力のコントロールができるようになってよかったね」

見ていた私が最終的に思ったのはこれだけです。

コメディ要素や小ネタもいまいち

若きフューリーやコールソン、4次元キューブなどの登場は嬉しいものの、本編のストーリーを牽引してはいません。

小ネタをくすぐられるのは、歴代MCU作品を見た人間としては嬉しいのですが、ただそれだけです。

それよりも言いたいのはギャグがつまらな過ぎてイライラする。

最初は「ああなるほど。今回はカラっとした軽い映画なのね」と好印象だったものの、全編通してやりすぎです。しかも面白くない。

スクラル人が地球人に化けてタロスと部下が被るとか、マリアの家に侵入したタロスとの気の抜けた会話、ブラックボックスのデータを読み込む時間・・・。

ラストのジュード・ロウとの対決も「今までのヒーロー映画なら拳で戦いそうなところをはずす」というギャグとして分からなくはないものの、ここに至るまで似たような外しギャグを挟みすぎてて全く面白くないです。

「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」序盤に「盾なしなら大したことない」とテロリストに挑発されたキャプテン・アメリカが、正々堂々格闘術のみで戦った時の方が普通にスカッとするんです。

「ワンダーウーマン」の愚直さが大正解だった

そもそも今回の「超荒唐無稽なヒーロー」「シリーズ初の女性主人公」「人間社会を知らないカルチャーギャップコメディ」「押し込められた枠からの脱却がテーマ」などなど、大方は2年前にライバルのDC映画である「ワンダーウーマン」がうまくやってのけています。

この「ワンダーウーマン」自体は場面展開が行ったり来たりでガチャガチャ感があったり、悪役が総じてつまらないなど欠点は多いのですが・・・今回の「キャプテン・マーベル」と比べると頼りにしたいと思えるヒーローは間違いなくワンダウーマンの方です。

何故ならワンダーウーマンは明確に人を助けるヒーローとして徹底的に描かれたからです。

キャプテン・マーベルも、この2年前の映画から素直に学ぶべきです。外せばいいというものではないです。

またサスペンス、ミステリー的な要素も薄味過ぎます。仮にこのジャンルの映画としてやるなら、最低でも「ウィンターソルジャー」や「シビルウォー」の水準は欲しい。

仮にその水準が無理にしても、もっと真面目にやれと言いたいです。誰にでも化けられるスクラル人の設定、序盤のチェイスは面白かったのでもっと掘り下げてよかったのではと思います。

あるいは昨今の難民問題を取り入れた話であるのだから、もっとそこに焦点を当ててもよかった。

少なくとも「バース」であったときには相当のスクラル人を、事情を知らなかったとは言え手にかけていたわけで、マリアの家でのうのうと談笑しているのも個人的にはノレなかったです。

軽さを優先するばかりに、本来はもっと深掘りできそうなテーマさえおざなりに処理されている感も拭えません。

まとめ:粗は少ないのが救い

本作「キャプテン・マーベル」の悪い部分ばかり述べてきましたが、物語上の粗は殆どないために、そこはストレスにはなりません。

CGやアクションそのものは悪くないですし、ガジェットや宇宙船に異星での戦いなどスペースオペラ系の映画を見ているときのわくわくもしっかりと堪能できました。

ただただ斜に構えた本作のスタンスと、戦うだけのヒーローに留まった「キャプテン・マーベル」にがっかりしました。

MCUが「アベンジャーズ/エンドゲーム」公開前のこのタイミングで、このクオリティの作品にOKを出したことにやや不安を覚えますが・・・「エンドゲーム」でのキャロル・ダンバースの描き方に期待したいと思います。

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のっち
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ムービニアンズの丸い方。 趣味はゲーム・・・だったけど今はもっぱら映画鑑賞。 洋画を中心に、アニメ、ドラマをよく見る。 最近はインド映画も修行中! 今までに見た映画はこちら

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