あらすじ
コナン宿命のライバルでもある「月下の奇術師」こと怪盗キッドと、これが劇場版初登場となる空手家・京極真が物語のキーパーソンとなる。19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を、現地の富豪が回収しようとした矢先、マリーナベイ・サンズで殺人事件が発生。その現場には、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていた。同じころ、シンガポールで開催される空手トーナメントを観戦するため、毛利蘭と鈴木園子が現地を訪れていた。パスポートをもっていないコナンは日本で留守番のはずだったが、彼を利用しようとするキッドの手により強制的にシンガポールに連れてこられてしまう。キッドは、ある邸宅の地下倉庫にブルーサファイアが眠っているという情報をつかむが……。引用元:https://eiga.com/movie/90345/
画像引用元:https://eiga.com/movie/90345/
思えば最後にコナンの映画を映画館で観たのはいつだっただろうか。
小学校に観に行ったような気がするので、20年近い間映画館でコナンの映画を観に行っていない。
今回久しぶりにコナンの映画を観てみようかな?と思ったのは、ここ最近のコナンの映画が年々興行収入が上がっているとらしいのと、前作「ゼロの執行人」を金曜ロードショーで観たら思った以上に面白かったのが理由だった。
目次
「紺青の拳」はキラーカードを切っても活かしきれなかった勿体無い作品
「ゼロの執行人」は序盤から怒涛の展開でコナンたち(毛利小五郎)が追い詰められていく展開が緊迫感があり、とても面白かった。
だが、今回の「紺青の拳」は怪盗キッドというキラーカードを出しながらも、上手く活かしきれなかった勿体無い作品だった。
というのも、シナリオ、今までのコナンとは思えない行動。トリックの稚拙さ、真犯人の存在理由、犯人の動機。すべてにおいてどこかチグハグした映画だった。
怪盗を捕まえようとしない探偵
今回コナンは怪盗キッドの拉致されシンガポールに行くことになる。
拉致云々はシナリオ上しょうがないとしても、怪盗キッドが宝石を盗む。という話を聞いても、コナンは全くキッドの犯罪を止めようとしないのだ。
私の知っているコナンは、怪盗キッドであろうと犯罪者であれば捕まえる。という人間だった。実際に今までコナンは怪盗キッドを捕まえようと何度もしてきたはずなのだが、今回は捕まえる気がまったくない。
もしかしたら私がコナンを観ていない(10年以上は観ていない)間にコナンと怪盗キッドの関係が変わってしまったのかもしれないが、私には違和感しか感じなかった。
しかもキッドが宝石を盗みに入った時、罠にハマりピンチになったときにキッドを助ける探偵。
殺人犯逮捕のため、怪盗キッドと一時的に協力体制を敷いているというのであれば理解出来る。だが、キッドが怪盗キッドの名前を語った殺人があったことを語ったのは、コナンが罠にハマったキッドを助けてからの話だ。
コナンの行動に今までと一貫性がまったくない。
魅力のない怪盗キッド
今回の怪盗キッドはとにかく魅力がない。
盗みは全く成功しないわ、罠にはめられるわ、正直カッコ良い点はほぼ無い。
怪盗キッドはいかなる苦境であっても、クールに突破し、どんな状況でも見事目的を達成させる。そこが怪盗キッドのかっこよさであるのに対し、今回のキッドは失敗続き。
じゃあ何をしていたのかと言うと、ただひたすらシンガポールの上空を飛んでいただけだった。
今回の怪盗キッドは、単純に新一の代役と、京極真と戦わせて話題性を出し、興行収入を上げたいがためだけに、制作側によって出された感が強い。
怪盗キッドはコナンの中ではまさにキラーカードの一人である分、もっと大切に使ってあげてほしい。
シンガポールそんなに治安悪くねえ!
シンガポールに入ってから、街はチンピラは出て襲われるわ、海賊は出て街が襲撃されるわ。
シンガポールそんなに治安悪くねえ! 日本と同等レベルの経済発展をし、治安はむしろ日本よりいいかもしれないのがシンガポールなのに。
園子を襲わせたいがために、シンガポールを悪く映しているように思えてしまった。
どっか説明あった?犯人の犯行動機
犯人の目的はシンガポールの都市を破壊し、自分の理想とする都市を再生すること。
でもその設定って話の中であった?
犯人の設定は、元は犯罪心理学を使い警察に協力、犯罪者の逮捕に何度も貢献した人物で、今現在はセキュリティ会社の社長というのが設定内容。
冒頭に犯人は出てくるので、視聴者は最初から誰が犯人かわかっている状態で映画は始まる。
が、最初から犯人がわかっている視聴者としても、一体いつこの犯人が、都市を作るような事業に関わる人物だったのかわからない。説明がまったくない。
この経歴の一体どこに都市を作る話があったのか。
映画最後に唐突に出てきた犯人の動機に視聴者はポカーン状態。
こんな訳のわからない設定を突然出してくるのであれば、まだ「世紀末の魔術師」みたいに、宝石にはなにか秘密があって、宝石を手にれることで莫大なお宝が手に入る。など、簡単な設定の方がわかりやすくてよかったのでは無いだろうか。
トリックの稚拙さ
本作では犯人によって2人殺害されてしまう。
もちろん犯人は特定されないようアリバイ工作などトリックを行うのだが、それがとんでもなく稚拙だった。
ネタバレになるのと、説明が大変なので詳細は省くが、ほとんど運の要素でしか成功しないようなトリックであったり、簡単な科学捜査を少しすればすぐに分かってしまうようなトリックばかりなため、謎解きの面白さもない。
解答を聞いた後の満足感も無い。あまりにも稚拙なトリックだった。
都市の防衛力なめてんのか!?
犯人の目的である都市の破壊。
その方法はなんとタンカーを港にぶつけるということ。
タンカーに大量の爆薬が入っていたり、都市中に爆発物が仕掛けてあったり、空から人工衛星が降ってくることも無く、ただ単にタンクローリーを港にぶつけるだけ。
シンガポールの都市を破壊するのに、たった一つのタンカーと、数十人の海賊でどうやって破壊しろと?
犯人がいかにも出来る男だったのに、この稚拙な計画は映画を観ていて失笑してしまった。
何を思ってこんなアホみたいな展開にしたのか。
真犯人はそもそもなんの真犯人だよ!?
犯人以外にも、実は真犯人がいる。この真犯人はコナンやキッドも「真犯人はあなただ!」的なセリフを言っていた。(気がする)
が、そもそも真犯人というほどの事をしたというかと言うとそれも疑問で、やったことは怪盗キッドをシンガポールに呼び寄せたと言うことと、最後に海賊と手を組んで、犯人から裏切らせたという程度。
これでは真犯人とは言えない。
真犯人が全く真犯人では無く、ただひたすらに無駄な設定だった。
唯一良かったのは園子と京極の関係
唯一いいと思えたのは、園子と京極真との関係だった。
むしろこの二人の話がメイン。園子の可愛らしい一面がふんだんに見れたのは、園子ファンには良かったのではないだろうか。
灰原好きの私としても、今回の園子はとても可愛らしくてよかった。
まとめ
売上を出すために、人気キャラを総出演させただけで、シナリオはお粗末の一言。
前作ゼロの執行人と比べればシナリオの完成度はかなりの差がある。
ともかく今回はコナン側も、犯人側も、園子や京極真といった第三者側もみんながみんなバラバラで別方向を向いていた印象だった。
コナンは殺人犯の特定を、キッドは宝石の奪取と呼び寄せた人物の特定、京極真と園子は二人でイチャイチャ、犯人は自分の目的、真犯人は復讐、海賊はお宝目当て。
主要メンバーがみんな別方向を向いていたのだから纏まりがなくなるもの仕方がない。
もっとシンプルな内容にしておけば、面白い映画になれた可能性だってあった気がします。
コナンの映画、漫画、アニメを観るならU-NEXTがおすすめです。
TVアニメシリーズや今までの映画、また登録することでもらえるポイントを使用することで、コナンの漫画も読むことが可能です。
またHuluでは、前作「ゼロの執行人」が5月18日まで観ることが可能です。
それ以外にも、今作で登場した怪盗キッドが主役のアニメ「まじっく快斗1412」も配信されています。
怪盗キッド好き、コナン好きにオススメです。
スポンサーリンク
