原題:The Grinch 上映時間:86分 監督:スコット・モシャーキャスト:ベネディクト・カンバーバッチラシダ・ジョーンズキーナン・トンプソンキャメロン・シーリーアンジェラ・ランズベリー
大体のあらすじ:
幼い頃はつぶらな瞳が愛らしかったが、成長してすっかりひねくれてしまったグリンチ。
洞窟の中で暮らす彼は、愛犬マックスの献身的な愛にもぶっきらぼうに対応し、山麓の村人たちに意地悪ばかりして楽しんでいた。
いつも不機嫌で孤独なグリンチは、村人たちが大好きな「クリスマス」を盗んでしまおうと思いつくが……。
本日12月14日公開のイルミネーション最新作『グリンチ』を観てきました!
早速ですが感想を書いていきたいと思います。
前提として、私は実写版グリンチを事前に観てから今回のCG版グリンチを観に行っています。
ネタバレ含みますのでまだ観に行っていない人はご注意ください。
特別な日にグリンチを孤独から開放する物語
この物語は、
子供の頃に心に傷を負ったグリンチが、1年の中で最も特別な日でもあるクリスマスに、シンディや村の人々によって孤独や寂しさから開放されるお話です。
孤児として過ごし、孤独や寂しさを感じていたグリンチは、次第にクリスマスが嫌いになってしまいます。
クリスマスが嫌いになってしまって51年!(51回?)
人間だと思うともうかなりのオジサンですね。
とことん捻くれてしまい、村人たちにイタズラをするグリンチですが、クライマックスでは村人たちのクリスマスの歌声を聞き、心を入れ替えます。
そしてクリスマスを盗んだことを村人に謝り、村人はこれを受け入れ、最後にはシンディの家でパーティをしておしまい。よかったね!
・・・・・・・・・
・・・・
いやいや、待ってほしい。
クリスマスを盗まれた(プレゼントとツリーと電飾が盗まれた)村人たちが、「クリスマスは心の中にあるんだよ!」と言ってみんなで集まり歌を歌ってクリスマスを実行する。
ここまではいい。だが、
『この歌を聞いたグリンチは、自分が捻くれていた理由を知り、心を入れ替える』
歌を聞いた程度のことで、51年もの間捻くれ続けた筋金入りの捻くれ者が、心を入れ替えるのはおかしくないかい!?
しかも最後のホームパーティでグリンチは
「シンディが自分を救ってくれた」
と言ってるけれど、
シンディがしたことって、グリンチをサンタと間違えて捕まえて、「忙しいお母さんを助けてあげて!」ってお願いしただけだよね!?
一体どこにグリンチが心変わりした要素があったのか。
グリンチが心変わりする最も大切な場面だっただけに、この不可解な心変わりにはガッカリという感情しかない。
シンディとグリンチの関わり合いの少なさがすべての原因
どうしてこんな変な展開になってしまったのか。
それはシンディとグリンチとの関わり合いが少ないのが原因だ。
シンディとグリンチが初めて出会うのが、冒頭10分前後だろうか。
シンディがサンタクロースに手紙を出しに行こうとして、グリンチとぶつかる。
この時少しの間会話をするが、それ以上の関わりは無い。
そしてこの後
最後のクライマックス前まで二人は一切出会わない。
グリンチはどうにかクリスマスを終わらそうと画策し、
シンディはサンタクロースを捕まえて母親を助けてもらおうと行動する。
色々あって、グリンチが村からクリスマスを盗もうとして、シンディの自宅に忍び込んだ時、ようやく二人は再会する。
ここでシンディは「母親が忙しくて助けてほしい」とサンタにお願いしようとしていたことをグリンチに話す。
グリンチはその話を聞くも、そのままシンディをベッドへ向かわせる。
以上だ。
このやり取りだけで、なぜか!グリンチは心変わりしてしまうのだ。
明らかに描写不足感が否めない。
トナカイって必要?
今回のグリンチでは、実写版には登場しなかったトナカイが登場する。
サンタに偽装するにはトナカイが必要だ。という理由でトナカイを捕まえに行き、太っちょのトナカイを捕まえてくるのだが、このトナカイ必要?
というのも、このトナカイは実際にクリスマスを盗む時には何処かに行ってしまっていて、登場しないのだ。
中途半端に登場して、肝心なところには登場せず、最後にちょろっとグリンチを助けに現れる。
いや、このトナカイ要らんだろ。
このトナカイに時間を使うのであれば、その分シンディとグリンチの交流をもっと深め、グリンチが心動かされる事に納得するような内容を描くべきだった。
世相を意識したせいでこうなった?
原作の絵本を読んでいないのでなんとも言えないが、どうも今回のCG版グリンチは、世相に配慮し、世の中のお母様方に配慮した作りになっている気がする。
実写版のグリンチでは、シンディは捻くれ者のグリンチに助けられ、本当は優しい人なんだと感じ、どうにか村に迎え入れようと、村長に取り合ったり、グリンチの話を村人に聞きに回ったり、グリンチに実際に会いに行ったりする。
だがCG版だと、シンディの目的はグリンチではなく「母親を助ける」という方向に変わってしまっている。
そのせいで、グリンチとシンディが最後まで全く関わり合う事がなくなってしまったのだ。
どうしてこのような変更を行ったのか。
原作を読んでいないので、もしかしたら原作が本当はこのような話なのかもしれない。
だが私は、イルミネーションが世相に配慮し、普段から家事育児で忙しい母親に配慮したのではないか。
子供と一緒に映画に観に来る母親に向けて作られたのではないか。
実写版では母親の子供二人は既にある程度大きくなり、むしろシンディが一番年下なのだ。
そこを敢えて兄弟を赤ちゃんにした理由はなんなのか。
邪推するのも無理からぬ話ではないだろうか。
グリンチの感想まとめ
グリンチとシンディの関わり合いの無さから来る、最後のクライマックスに納得はいかないものの、CG版は実写版よりもグリンチが可愛いデザインになっていたり、犬のマックスやトナカイの愛らしさなど、実写版と比べて子供向けになっている。
実写版にあった怖さが無いので、小さい子供でも楽しんで観られることは間違いない。
グリンチを観に行くのであれば、是非お子さんを連れて、クリスマスに一緒に行ってあげてください。
実写版も面白いので興味の有る方は一度見てみてください!
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