Mowgli: Legend of the Jungle | Netflix Official Site
原題:Mowgli: Legend of the Jungle 上映時間:104分 監督:アンディ・サーキス キャスト:ローハン・チャンド、クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、ベネディクト・カンバーバッチ、ナオミ・ハリス
あらすじ
インドのジャングルで狼の群れに育てられた人間の子どもモーグリは、クマのバルーや黒豹のバギーラの指導により、ジャングルの厳しい掟を学んでいく。やがて成長したモーグリは、群れの正式な一員として認めてもらうため、ある試験を受けることに。そんな中、モーグリの命を執拗に狙う獰猛な虎シア・カーンが群れに近づいてくる。
引用元:https://eiga.com/movie/84002/
『モーグリ ジャングルの伝説』はイギリスとアメリカの合同制作されたファンタジー映画で、ディズニーの映画「ジャングル・ブック」と原作を同じにしているそうです。
ジャングル・ブックを私は観たことが無いので、今回この「モーグリ ジャングルの伝説」が初めての『ジャングル・ブック』から生まれた映画の視聴になります。
最初の感想は子ども版ターザン?
この映画を観た最初の感想は「子ども版ターザン?」でした。
というのも、ターザンと内容が似ていたからです。
どちらも舞台はジャングル。場所は違うようですが、ターザンがゴリラを家族にしていたように、モーグリは狼が家族でした。
敵がいて、人間やハンターがいる。
何となくターザンと似ているような雰囲気だという事は分かるかと思います。
ちなみに、ターザンは主人公が大きくなってからのお話でしたが、モーグリはまだ子どもです。
ターザンはディズニー映画で知っていたのですが、ジャングル・ブックは知らなかったので、ターザンと似ているなーと思ったのです。
ですが実際の所、映画「モーグリ」と「ターザン」とでは、話の内容が似ているようで違いました。
モーグリとターザンの違い
ディズニー映画「ターザン」はゴリラに育てられたターザンと、人間の女の子ジェーンとの恋物語や、人間の悪意を表した敵(ハンター)と、ジャングルの英雄であるターザンが戦う、「人間の悪」対「自然世界」の戦いがメインの物語でした。
それに対して「モーグリ」は、狼に育てられた人間の子どもモーグリと、狼一族・バルー(熊)・バギーラ(黒豹)といった動物たちとの絆を描いた映画です。
映画の中では狼たちや、黒豹のバギーラがモーグリの幸せのために何度も葛藤する描写があります。
葛藤しながらも、モーグリを愛し、時には命がけで助けたり、モーグリの幸せのために人間と一緒に暮らさせたりと、モーグリと動物たちの不器用ながらも相手のことを本気で思いやる気持ちが溢れています。
「モーグリ ジャングルの伝説」も最後はジャングルの敵であるカーン(虎)を倒しジャングルの平和を取り戻す英雄となるお話ですが、あくまでも敵はジャングルの動物であり、人間では有りません。
「モーグリ」では人間はあくまでも脇役で、モーグリと動物たちとの絆を描いたのが「モーグリ ジャングルの伝説」なのです。
目を見張る素晴らしいCG
「モーグリ ジャングルの伝説」を観た人は、人間以外ほぼCGで作られています。
映画を観た人は、まず動物たちのCGのクオリティに驚くと思います。
本当にクオリティが高くて凄い。
動物たちの様々な表情がCGで表現され、動物たちの喜怒哀楽、悲しんでいる場面では悲しい表情を、楽しい場面では楽しんでいる表情を、威嚇する時は威嚇する表情をしっかりと表現しています。
確かにCG独特の違和感は多少感じますが、それでもCGのクオリティはとても高く、日本ではまだここまでCGを扱える人はいないんじゃないでしょうか?
それぐらいの素晴らしい出来です。
ハンターの存在理由は?
さて、物語の後半になると、とある理由から主人公モーグリが、人間の住む村に連れて行かれます。
そこで人食い虎カーンを退治しに来たハンターと出会います。
「ターザン」では完全な敵役だったハンターですが、「モーグリ」ではイマイチ存在感が薄い存在となっています。
というのも、ハンターはモーグリをカーンの討伐に利用しようとしているのですが、実際にやっていることは、モーグリに人間の生き方を教えるというもの。
確かにそれはそれで大事な内容では有るのですが、別にそれハンターでなくて良いよね?
実際モーグリが村にいるときの描写の半分は、近くに住むお姉さんから人間としての生き方を教わっている場面でした。
ハンターと一緒にジャングルに入ってカーンを探す描写もなく、モーグリは村での生活に馴染んでいきます。
ある日モーグリはハンターの住む家で衝撃的なものを見つけてしまいます。
中々ショッキングな映像なのですが、これを観たモーグリがハンターを攻撃するということもなく、ハンターとの何も起きないただの同棲生活が続きます。
結局ハンターと協力する気配も無いまま、物語は終盤へ。
最後はジャングルの生き物たちの助力を得てモーグリはカーンの討滅に成功。
ジャングルの守護者となります。
ハンターはと言うと、以前牙をへし折った象から復習として攻撃され、何も出来ずにやられてしまうという展開。
ハンターの存在理由がイマイチ分かりません。
総評 「面白かったが、何を伝えたかったのか分かりづらい」
映像のクオリティも高いし、お話も面白い。
だけど、結局何を伝えたかったのかが見えてこない映画でした。
ターザンであれば「悪との戦い」という明確な内容で分かりやすい。
モーグリの場合多分「動物たちとの絆」がテーマだと思うのです。
ですが中盤にジャングルから追い出され、人間と一緒に暮らさざる得なかったモーグリに、突然追い出した側の狼から助けを請われるという、よくわからない展開に。
最後は象に協力を仰いでカーンを倒し、モーグリがジャングルの英雄になります。
「動物たちとの絆」から、急に「英雄物語」に路線変更してしまい、戸惑ってしまいました。
結局伝えたいことが「動物たちとの絆」なのか「英雄物語なのか」話の軸がブレてしまい、最後はイマイチな印象を受けました。
物語の締めくくりとして、敵を倒して大団円は必要だと思いますが、もう少しどうにか纏められなかったのか。
最後の展開が良くなかったせいで、何を伝えたかったのかイマイチよくわからない映画になってしまったのが残念です。
「モーグリ ジャングルの伝説」はNetflixオリジナル映画です。
視聴はこちらからどうぞ
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