洋画

青春学園ものインド映画【スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!】感想&レビュー

スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!

原題:Student of the Year
上映時間:146分
監督:カラン・ジョーハル
キャスト:シッダールト・マルホトラ、バルン・ダワン、アーリヤー・バットなど

あらすじ

世界一のセレブ学園を舞台に繰り広げられる青春を、ゴージャスな歌や踊りにのせて描くインド製学園ミュージカル。名門私立学校の聖テレーザ学園では、毎年ナンバーワンの生徒を決めるコンテストが行われている。

大物実業家を父に持つロハンは、ナンバーワン候補として注目を集めているが、ロックスターになりたいという将来の夢を父親に反対され、物事がうまくいかない日々を送っていた。そんな時、スポーツやダンス、成績など全てに優れたアビが転校してくる。

アビとロハンは良きライバルとして関係を築いていくが、ロハンのガールフレンドのシャナーヤとアビが急接近したことで、3人の関係はぎくしゃくしてしまう。

監督は、「マイネーム・イズ・ハーン」「家族の四季 愛すれど遠く離れて」などを手がけたインドのヒットメーカー、カラン・ジョーハル。

引用元:https://eiga.com/movie/79951/

5月26日 DVDにて鑑賞 [ 60/100点 ]

妻持参のDVD版「スチューデント・オブ・ザ・イヤー」

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」以来、インド映画からめっきり離れていたので「いい加減見ないとなあ」と漠然と思っていたところにこの一本。

「スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!」のDVDを、お酒も飲みつつ楽しみました。インド映画の師匠a.k.a私の妻の持参品です。

正直ツッコミどころだらけの映画ですが、そこそこ楽しめましたよ。というかツッコミを入れていくのが楽しい。

お酒も入っていたので、感想をさくっとふわっと、短めに綴ります。

本記事はネタバレが含まれます。ご注意ください。


学生さん向け学園ラブコメディもの

そもそもこの映画が完全に「ハイティーン向け」の「学園ラブコメ」とうことで、基本的には出てくるイケメン&美女を愛でる、見守る映画なのだなとパッケージ段階で理解。

一緒に見た師匠からも「面白くないわよ」と何度も念押しで予防線を張られましたし。

とはいえオープニングは結構しっとりな始まりでしたね。

脇役のふとっちょ眼鏡君、スードの独白で開幕。どうやらすでに学園を卒業して大人になった時間軸からスタート。

倒れてしまった当時の校長先生との間で「何かがあった」という謎をふっかけておいてから始めるあたり、なかなか「いいじゃない」と思いましたよ。「何があったのか」はやはり気になります。

カラン・ジョーハル監督。他のインド映画を調べているときに何度か名前は目撃してきたものの、見るのは今作が初めて。

師匠から再三言われている「マイネーム・イズ・ハーンを見ろ」という注文も、いい加減に実行しないとね。

とかなんとか言ってると、ついに学園編のスタート。ここからはもう想像通りというか、「インドにも他の国同様にこういう映画の需要はあるんだなあ」と。

日本でも毎年、いわゆる「胸キュン」系な映画は予告編で見かけますけどね。本作も位置づけとしてはこれに近いのでしょうか。デビュー間もないイケメンや美少女の青春のキラメキを見守るような、そんなやつ。

ヒロインの取り合い < 圧倒的に光るブロマンス

ここからの「学園にやってきた謎のハイスペック転校生」&「学園一金持ちな悪ガキ」&「トラブルメーカーな超美人ヒロイン」の三つ巴ドッタバッタコメディは、ツッコミながら見る分には良かったです。

男同士の喧嘩や嫌がらせも、親に恵まれないという共通項がわかった途端に即和解。短絡的とも言いますけど、この手の映画でうじうじシーンが少ないのは清々しいです。さすが青春パワー。

一度仲良くなった後の主演男優の二人、シッダールト・マルホトラ&ヴァルン・ダワンのイチャイチャデートなミュージックシーンなど見どころ満載でした。筋肉とブロマンス要素が十分に足りているので、この辺を補給したい方には堪らないものがあるやも。

ぶっちゃけヒロインの取り合いよりも男二人のイチャイチャ度合いが高かったので、そこをこそ楽しむ映画ですね、間違いなく。

締めるべき場所を心得ている 良き青春映画

あらかたのゴタゴタをこなしつつ、局面はタイトル回収の「スチューデント・オブ・ザ・イヤー」を決める展開へ。

・謎解き(宝探しゲーム)で知恵を競う
・ダンスで芸術を競う
・トライアスロンで体力を競う

これを勝ち抜いた一人がアメリカの有名大学へ、学園の全面的支援を受けながら入学できるそうです。どこやねん、その大学。それでいいのか。

どう考えたって超人的なイケメンダブル主人公以外に勝ち抜けそうにないこの種目。いろんなツッコミたい要素を尻目に進んでいき、家族との葛藤やら事件も絡みながらラストへ。

しかしこのラストは、なかなかびっくり。このスキだらけな設定を逆手に取って、全てをひっくり返しちゃう。ふとっちょスードくん、やるやん!

公式より、ペアダンスバトルのはずが結局ばらばらに踊るという謎な競技シーン。持たぬもの代表のスード君はここで無念の脱落・・・。

「こんな競技、俺たちが勝てるわけねえじゃんクソッタレ!」

と声高に叫ぶスード君。実に正論だし、ヒーロー性を帯びたキャラばかり活躍しがちな娯楽インド映画に一石を投じる(ような気がする)大立ち回りの演説。

トライアスロン競技で「女子がハンデなし参戦とか圧倒的不利やん」とか「自転車で落車狙いのタックルとかマジクソだわ」とか「ヴァルンは謎解きゲームでランニングでは勝てないことは分かっていたのだから、自転車はアタックせずに集団で脚をためるべきだった」とか、くっそ真面目にツッコんでいた自分も愚かだった!

そもそもこんな競技自体が、なんならこういう映画自体が間違いだと言わんばかりのスード君の主張にクラクラ。こういうセリフをしかもお酒と勢いに任せて言わせているのもいい感じに緩くて好き。

そんなこんなで学園編は終わり、大人になった主人公たちも殴り合いの末にあっさり和解(←あまりに典型的すぎて好き)。

最後はやはりブロマンス映画らしく二人で明日に向かって走り出し、「男ってほんとバカよね・・・(優しく見守る目)」な感じでおわり。めでたしめでたし。

まとめ:誰かとツッコミながら観たいインド映画

オープニングとラストは固くてどっしり。最初と最後をしっかり閉じておけばいい感じになるというのを心得ている映画でした。

それ以外の中盤とかはまあ、予想できることが予想通りに進行していく感じでございます。

ちょいちょい挟まってくるインドらしいチープな笑いとか、ちょっとお下品なギャグとかも含めて、誰かとゆる~くみたいところ。中身がスカスカな分、ツッコミを容赦なく吸ってくれる吸収力は凄まじい気がします。たぶん。

レンタル屋さんなどでもし見かけたら、とりあえず「ひたっすら楽しい方向」のインド映画を見てみたい人は、ぜひ味見することをオススメしますよ。

2019年5月現在アマゾンプライムで見ることができるようです。


スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!(字幕版)

2019年5月に本国で続編が公開されたらしいです。キャストなどは一新。果たしてどのような映画なのか・・・勇気ある日本の配給会社さんお願いします。

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のっち
ムービニアンズの丸い方。 趣味はゲーム・・・だったけど今はもっぱら映画鑑賞。 洋画を中心に、アニメ、ドラマをよく見る。 最近はインド映画も修行中! 今までに見た映画はこちら