3月8日公開の映画「スパイダーマン:スパイダーバース」!
あらゆる次元から集った多種多様なスパイダーマン達が大集合するお祭り映画なのですが、今まで彼らの存在を知らなかった人も多いはず。
そこでこの記事では映画「スパイダーマン:スパイダーバース」に登場するキャラ達を解説していきます(映画本編の内容は解説レビューをどうぞ)。
なお、今回の映画版はコミック版である「スパイダーバース」が原作となっています。メインのストーリーはかなり違うのですが、それぞれのキャラ設定は映画ともかなり似通っています。簡単に把握するなら「スパイダーバース」のコミック合計3巻を読むことをオススメします。
本記事も基本的に原作「スパイダーバース」での設定をもとに解説していきます。
映画「スパイダーマン:スパイダーバース」本編のネタバレが含まれています。ご注意ください。
目次
解説に入るその前に!基礎知識編
マーベルコミックの世界観「アース-〇〇」とは?
いきなり各キャラの解説に入る前に、重要な基本設定があります。マーベルのコミック、各アニメ、映画など世界観には必ず「アース(Earth)-〇〇(数字)」という番号がつけられています。
例えば映画「スパイダーバース」の世界、つまりマイルスが生活しているのは「アース-1610」。スパイダー・グウェンが本来活躍している世界は「アース-65」という具合。
現行の実写版映画の代表格といえる「アベンジャーズ」でお馴染みのマーベル・シネマティック・ユニバースにも「アース-199999」と世界観が定義づけられている。
この定義付けによって展開するメディアや時代の経過に応じて行われる世界設定のリセットや、今回のようなクロスオーバーをする際にそれぞれの世界観が損なわれることなく扱われるのです。
ちなみに映画「スパイダーバース」内でもこの番号はしっかり登場しています!
劇中最初に加速器が可動した際、研究者のモニターにつながった世界の番号がそれぞれ描かれていました。お気づきになりましたか?
もちろんラストの「アース-67」はいわずもがな👉👈
マイルス・モラレス(2代目スパイダーマン)
「アース-1610」
本作の主人公であり、黒人の少年スパイダーマン。今回の映画ではヒーローとしてのデビューまでを描かれていたのはご存知の通り。
原作コミックの「スパイダーバース」では既にヒーローとして活躍しており、3巻目の「ワールド・オブ・スパイダーバース」ではあの「アース-67」へ出向いている。
なお、非生産的な指差し合戦に終わることなく、「アース-67」のスパイダーマンと協力してしっかりと悪者退治をしている模様。
コミック版の初出は2011年。スパイダーマンになる過程や家族関係などは当然ながら映画版とはかなり違う。
ここでは割愛するが、紆余曲折を経て現在は正史のスパイダーマン(アース-616)と合流。コミックでは二人目のスパイダーマンとしての地位を得ており、映画版主人公への抜擢もうなずけます。
ピーター・パーカー(初代スパイダーマン)
マイルスの世界で活躍していた初代スパイダーマン。「やりすぎだろ!」と言いたくなるほど完璧すぎる、金髪イケメンのピーター・パーカー。本作オリジナルの超理想的なスパイダーマンです。
映画の冒頭で彼の活躍のダイジェストが流れますが、特徴的なのがほぼサム・ライミ版実写映画「スパイダーマン」3部作へのオマージュであること。
糸にぶら下がりながらキス、レストランに車が飛んでくる、列車を糸と体を張って止めるなど・・・「あまり詳しくないけど、何となく知っている」という、一般人向けのスパイダーマンを体現するキャラクターなのです(詳しくは実写版の解説記事もどうぞ)。
また、マイルスやこのピーター・パーカーの世界は私達が生きている現実を少しもじった設定になっているのも抑えておきたいところ。
「コカ・コーラ」の看板が「コカ・ソーダ」になっていたり、NYPD(ニューヨーク市警)がPDNY(市警ニューヨーク)になっているなど、細かいところで現実とは違うコミックのような世界になっていることも表現されています。
ピーター・B・パーカー(40代のスパイダーマン)
「アース-616」
異世界からやってきた中年太りでイケてない方のスパイダーマンこと、ピーター・B・パーカー。アース番号はコミック版の正史である「アース-616」ではあるものの、その人物像はオリジナル設定が強め。
彼の世界での活躍が説明される際に、「コカ・コーラ」の看板が私達の世界同様の同じものであることなどから、リアル指向なことが伺えます。
また説明の終わりに出る雑誌には「アメイジング・スパイダーマン」のタイトルが。コミック本家の雑誌タイトル名。
さらに、サム・ライミ版3部作よりも原作や現実感に寄せた実写映画シリーズ第2弾「アメイジング・スパイダーマン」2部作と同一の名前でもあります。最初に登場した初代スパイダーマンの設定との対比になっていますね(こちらも詳しくは実写版の解説をどうぞ)。
離婚したり別居したり人間味あふれるピーター・B・パーカー。「親愛なる隣人」というスパイダーマンの愛称が似合うのは、実は本作中で一番リアルな彼なのかも。
グウェン・ステイシー(通称スパイダー・グウェン)

「アース-65」
ピーター・パーカーの代わりにグウェン・ステイシーが蜘蛛に咬まれた世界で活躍するスパイダー・ウーマン。通称はスパイダー・グウェン。
原案はMARVEL COMICS(マーヴェルコミック)発祥のアメコミ「アメイジング・スパイダーマン」の一大イベント「スパイダーバース」に初登場。またたく間に人気が出て、レギュラータイトル化。グウェンが主役の書籍も出版されている。
彼女の世界ではバンドでベースを担当し、父が警察官。スパイダー・グウェンとしては舞いうように闘い、靴もバレエ・シューズなのが大きな特徴。
キャラクターとしての人気の高さから日本語版の単行本も出ており、映画ではその色彩感や独特のタッチを彼女の世界を説明する際に再現されていた。原作2巻目の「エッジ・オブ・スパイダーバース」にスパイダー・グウェンの話が収録されているので、見比べると楽しいはず!
実写映画版では「アメイジング・スパイダーマン」2部作でヒロインとして登場、当然ながらスパイダー・ウーマンにはならない。演じるのはオスカー女優のエマ・ストーンで、知的で強いグウェンの魅力を演じきっている。
正史でのグウェン・ステイシーは敵のグリーン・ゴブリンにより殺されてしまっていることで有名。原作の「スパイダー・バース」には同様にグウェンを失う経験をしたスパイダーマンもいた。
そのため原作コミックの「スパイダーバース」では正史のスパイダーマン(アース-616)などから、グリーン・ゴブリンと戦わないように配慮されるなどしたものの、あっさりグウェン自身の力で倒している。
スパイダーマン・ノワール

「アース-90214」
架空の1933年に活躍する「ノワール・フィルム」風のスパイダーマン。
糸や壁の張り付き、第六感のスパイダーセンスなど基本設定は同じながら、銃を携帯し場合によっては殺害も厭わないのが大きな違いか。
多くのスパイダーマンの能力が「放射線などによって突然変異した蜘蛛に咬まれた」ことに対し、ノアールは「蜘蛛神アナンシによって直接的に力を授けられた魔術的な能力」である。
コミックも『スパイダーマン・ノワール』『アイ・ウィズアウト・ア・フェイス』『エッジ・オブ・スパイダーバース#1』など複数出ている
映画では酒ではなくミルクセーキが好き、タバコなしでマッチだけなどマイルド化していることをギャグにしてみせていた。
原作「スパイダーバース」ではメインのストーリーでもそこそこ登場頻度は多く、その色味の違いからよく目立つ。さらに第2巻「エッジ・オブ・スパイダーバース」では単独話も収録されており、ハードボイルドな世界観を満喫できることは間違いない。
なお、原作には色がついている(もっとも本人には白黒のコマが似合うのは間違いない)
ペニー・パーカー&SP//dr
「アース-14512」
3145年のニューヨークで活躍する少女とロボットのコンビ。ペニーの表情の豊かさは日本のアニメっぽさ全開で、SP//drも顔文字を豊富に使う。映画のキャラ付けはほぼオリジナルで、コミックとは印象がかなり変わって明るい。
原案はスパイダーバースのコミックで初めて登場したスパイダーマン。
日本語版では「エッジ・オブ・スパイダーバース」に収録されている。
第2巻の「エッジ・オブ・スパイダーバース」で彼女のヒーロー誕生譚が描かれているが、キャラ造形や性格、マシンのデザインは90年台アニメのオマージュが強い。
アンニュイで静かな表情が多く、SP//drのデザインも含めエヴァンゲリオンの設定とかなり似ている・・・というよりそのまま。モブにも「エヴァ」のメインキャラに、「天元突破グレンラガン」のシモン、「攻殻機動隊」などがモロに出てきたりする。
スパイダー・ハム(ピーター・ポーカー)

「アース-8311」
マーベルのキャラが動物化した世界の住人。映画では完全にカートゥーン次元の住人としてなんでもありな力を発揮しました。
原案はスパイダーマンを元にしたパロディキャラ。
マーベルキャラを動物化したパロディ世界ラーヴァル・アースの住人。
原作「スパイダーバース」ではメインストーリーから前日譚まで幅広く絡む活躍を見せたキャラ。幾人ものスパイダーマンが犠牲になって離脱する中、一向に死ぬ気配は見せずにギャグもはさみつつ戦う。終盤にかなり美味しい役回りもあって、今回の映画に出てくるキャラの中でも一際目立っている。
上記のペニー・パーカーの単独話にも登場し、イケメンなセリフでバシッと励ましたりするので必見です。
スパイダーマン2099&元祖アニメ「スパイダーマン」
スパイダーマン2099「アース-928」
60年台アニメ版スパイダーマン「アース-67」
ラストの「狙ってワープした最初のスパイダーマン」になったのは、2099年のラテン系スパイダーマンであるミゲル・オハラ。原作「スパイダーバース」ではメイン軸の重要人物であり、未来の科学者という設定でガジェットの開発や修理に強い。
今回の映画では一転してカメオ出演にとどまっているが、結果として一番おいしく、一番頭の悪い場面を披露してくれる。
一方の「アース-67」のスパイダーマンは、世界中が知っている「スパイダーマンのテーマ」でお馴染みの元祖アニメ版。ちなみにこのアニメ版のEP36に偽物のスパイダーマンと対峙するシーンが有り、スパイダーマン2099がワープしてしまったのはまさにこの話だったのです。




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